タカラバコ

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入ってはだめだと言われると余計に入ってみたくなる。入るための作戦を考えるのが、ものすごく得意だなんてなんにも嬉しくないよなぁ。もっと別のことに頭使いたいものです。


自分が去る姿は見られたくないけど、相手が去る姿はどうしても見届けたい、なんて、これはエゴなのだろう、そうだろう。

自分がいなくなったことには気づかないでほしいのに、相手がいなくなるときは そのことを 少しでも早く教えて欲しいなんて、そりゃ、おかしいよね。

こんなに手厚くもてなされることが最初から分かっていたら私はここへは入らなかったかもしれない、とはいえ、楽しそうだなぁなんて興味本位で勝手に入ってしまったのは私のほうなのだけど。

なんとなく気になる洋服屋さんを見つけてさ。ふらっと立ち寄って 自分のペースで店内回って 飽きたら出ようと思ってたのに、いつの間にか店員さんがピタリと隣について丁寧に接客してくれて 帰り際には出口まで見送ってくれたりして。
それが嬉しいときもあるけど、迷惑に感じてしまうときもある。そんな感じ。

きっと自分だけじゃ見つけ出せなかった掘り出し物とか見つけちゃって、甘言につられて買う気のなかったもの買っちゃった日なんかは尚更。予定外の出費だったのに不思議と気分は良くてさ。お店に入る前までの自分にはもうどうやっても戻れないわけだ、当たり前だけど。


前ばかりを見てる人はとても尊敬するけれど、過去を切り捨ててしまうような人の気持ちを理解できるほど、やわらかい心が私はまだ持てないな。
そんなふうに考えることばかりな五月でした。

久しぶりにその洋服屋さんに入ったら、店内の商品はアレコレ変わってて。好きだった店員さんがいなくなってる代わりに 知らない店員さんもいて。可愛いなって思える洋服はチラホラあるけど、初めて入ったときのようなトキメキはなければ、これはこのお店には相応しくないんじゃないかって洋服が目に付いちゃったり。今、そんな感じ。

でも今日も掘り出し物のお宝見つけて、お見送りされて帰るんだよ、なんだかんだ言いながら。