タカラバコ

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メモ

1、
10代の頃大好きなアイドルがいた。学生だったし、東京まで行くには片道2時間半かかったし、親の門限は厳しかったし、あとバイトをしても田舎の高校生時給ってほんっと低いし、あまり頻繁に現場に行けるわけではなかったけれど、私の青春の全てと言っても過言ではなく、憧れでもあり、ほんとうに大切な存在だった。いつもきらきらにこにこ前向きで一生懸命なところが大好きだった。

長年応援しているうちにもはや好きとか冷めるとかの次元ではなくなったけど、だんだんとキャラクターやグループの方向性が私が好きになった頃とは変わってきて、新しいおたくと私が求めてる推しは違うんだろうとか、私が好きな推しばかりでは大きくなれないんだろうとか、私が好きな推しと推しがなりたい推しも違うんだろうとか感じることが増えて、嫌いになるわけではないけどだんだんと現場には行かなくなった。

大好きだった当時のことを思い出すと今でも胸がいっぱいになるし、当時仲良かったおたくたちは今でもとても仲が良いし、あんなにも何かを好きになれてあんなにも心を揺さぶられた思い出がたくさんあることを私は今でも心底幸せに思う。テレビに出ているのを見ると今でも嬉しくなるし正直人生で一番好きだった。このグループのファンになれたことを一生誇りに思う!ずっと大好き。私の冠婚葬祭では絶対彼らの曲を流して欲しい。



2、
上のアイドルを見に音楽番組の観覧に行ったら、そこに出演していたバンドの演奏に一瞬で心を奪われてしまった。

あんなに大好きなアイドルを見に行ったはずなのに、帰りの新幹線ではバンドの曲を聴きながら家に着き、翌日にはワンコインシングルをフラゲ、翌月にはワンマンのチケットを購入、番組観覧から2週間後に東京に遊びに行ったらメンバーに遭遇したこともあった。

とくに運命だと感じてしまうのが、上のアイドルが毎年主演を務めてるオリジナル舞台が、なぜかこの年だけロックバンドの話で、劇中にも武道館が登場するこの舞台の千秋楽の日であり番組観覧からちょうど半年が経った日、実際の武道館で初ワンマンを開催したのがこのバンドだった。さすがに不思議な縁を感じざるを得ん。

最近はあんまりライブにも行ってないけど、私に新しい世界を教えてくれた人たちであり、きっとずっと聴き続けるバンドであり、武道館ワンマンのあの感動は一生忘れられないと思う。大好き。好きな人たちが変わってしまうことを悲しく思うこともあるけど、変化は振り幅だって教えてもらいました。



3、
目当てのひとたちがMCで「こんな台風の中くるなんて普通じゃない」と言うほどの台風のなか、10代最後の誕生日ひとりで向かったのは小さなライブハウスだった。それまでは数千人規模のライブハウスにしか行ったことがなく初めて地下へと続く薄暗い階段を降りたときは怖くてたまらなかったけど、それ以降、私の一番の趣味はバンドのライブに通うことになった。

それから好きなバンドはたくさん増えて、今までとくに楽しかったライブは色々思い浮かぶけど、その中でもいちばん楽しかったのが、大好きな3バンドのスリーマンツアー!

とても好きだった彼氏と別れてクソ病んでいた当時、箱に出順問い合わせて(間に合うこと確認して)仕事終わりに2時間電車乗って向かった久しぶりのライブに着く直前、大好きなスリーマンが解禁されて渋谷のどまんなかで震えた喜びはいまだに忘れられない。

その日のセットリストに組まれていた一曲を何度も何度聴いて失恋を乗り越えて、ツアー中に「この曲のおかげで失恋を乗り越えられました」ってお手紙渡したらその場で読んでくれたことも、そしたらツアーファイナルの一曲目にその曲をやってくれたことも、特大ファンサみたいでほんと嬉しかった〜!普段は絶対セトリ後半にやる曲をこの日だけ一曲目にやってくれたことも、このセトリをこのツアーで聴けたことも私にとっては本当に特別なことで絶対に忘れたくない!いつか絶対結婚報告しに行きたいし、またこのスリーマンを見れる日を期待しながら日々生きてる。ただ好きなバンドが対バンするのとは訳が違うけど、圧倒的好きなバンドベスト3。



4、
こんなに好きになった同性のアイドルは初めてだった。多分誰かのいいねかオススメかなんかでタイムラインに現れた女の子に一目惚れして以降SNSをチェックするようになったのだけど、地下アイドルの現場はどうしても私には敷居が高く、SNSを見て癒されてるだけの存在なはずだった。

それでもどうしても一度会ってみたくなりライブへ行ったら秒で沼に落ちた。沼に落ちた後も正直応援できるときに応援するというスタンスで、推しのためにむりやり時間を作るようなことはなかったけど、応援しているのが本当に幸せで楽しかった。 推しはある日突然アイドルを卒業した。多分メンバーの初めての生誕祭が終わるのを待ったらギリギリの発表になってしまったんだろう、私が現場で応援できたのはたったの4ヶ月弱だった。

最後のライブはすごかった。推しもメンバーもずっときらきらしていた、私は最後の日もうしろのほうで見れたら良いと思っていたのに出番の直前ファンの人たちが一緒に前の方へ連れて行ってくれて推しの最後の姿を最前で見ることができた、ファンの人がサイリウムもくれた、色紙にメッセージも書かせてくれた、ずっと一緒に活動してきたメンバーは泣いていたけどすぐに持ち前の歌声を披露していた、推しは泣くメンバーを見て笑顔でよしよししていた、推しもおたくも最後まで泣かずにずっとにこにこしていた、推しはほんとうに可愛かった、最後までアイドルをまっとうしていた、本当に出会えて良かったなと思う、特典会で推しは「出会えてよかったよ!」って言ってくれた。もっともっと応援したかったしクソにわか新規じゃなくて立派なおたく(?)になりたかったけど、短い間でも好きになれて応援できたことが本当に幸せだった!もっと早くライブに行けばよかったけど、推しがアイドルでいてくれるうちにライブに行くことができて本当に本当に良かった!寂しいよりずっと感動の余韻が勝ってる、ありきたりな言葉になってしまうけど、本当に良いライブが見れて嬉しかった。



整った綺麗なお顔やキラキラした部分だけ見て好きになったり、きゅんきゅん台詞にときめいたり疑似恋愛を楽しんだり、おたくとしてそれはそれで至極健全なことだと思うけど、なんていうかそういう表面上なこと以上に、パフォーマンスに感動したりプロ意識や優しさに心を揺さぶられたりファンでいることを誇りに思える人って滅多に出会えるものじゃないので出会えて本当に嬉しかった本当に特別な存在だった。


応援していて楽しかった人や夢中になった人は他にもたくさんいるけど、たまにこういう運命を感じてしまうような、人生レベルで好きになれるひととの出会いが訪れるから人生楽しいな〜〜〜!根っからのおたく気質なので、好きになられるより何かを好きでいるほうが幸せだし、常に何かを好きでいないと何も頑張れないし、過去の楽しかった思い出が前を向いていくためのいちばんの原動力な気がします!たとえファンを辞めた時に目に見える形で何も残らなくても、楽しかった思い出とファンとして出会った友達が残ればそれが何より幸せであるというか、応援していて楽しかった人はみんな他のファンの人たちも優しくて好きだったなあ。私がファンでいたことを覚えていてくれるおたくの友達がいればそれでじゅうぶんだなあ。
単純なので正直何かを好きになるのは簡単だけど、好きでいることが心底幸せで、胸が熱くなったり、好きな人の幸せを心から願えたり、表で幸せを届けてくれるならたとえ裏がどんな悪い人でもこれがすべて嘘でもなんでもいい〜〜この人のために人生がんばろ〜〜と思えるような人との出会いは本当に貴重なので出会えた思い出をずっと大事にしたい!私も色々経験を積んで、結局、滲み出る人柄や優しさや本当の人気はその人の心の綺麗さとかプロ意識の高さ真面目さがそのまま直結してるものだと学びました。好きなものがないと何も頑張れないけど生きていれば必ずまたこういう出会いは突然訪れるからこれからもつよく生きようね。何かにどきどき夢中になったりそれを好きでいることによって奇想天外な毎日になるのが好きだけどもう大人だから危ないことをするのも辞めようね。これは忘れないためのメモ書きです。

あとジャンルがバラバラのみんなを見た新木場スタジオコーストの閉館はほんとうにほんとうに悲しい。